募集小説T 霊安室(第一章)

  真由美は、親友の美佳が盲腸で入院することになったので、 早速お見舞いのため横浜のある病院を訪れたのである。 「お見舞いに来てくれてありがとう。心配かけてごめんね。」と美佳が云うと「本当にびっくりしたわよ!でも、大したことが無くてよかったわ。」と真由美が笑顔で応えた。 そんな会話を楽しげにしていると隣のベットの中川さんがニコニコしながらカステラを二人に分けてくれた。 「私はこの病院の主みたいで嫌になっちゃうわ。」と寂しげに呟いた。中川さんは肺を患い病院生活が長かった。 今日で五十五歳になるこの病院の大先輩なのだ。


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